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島原のモヤイ

島原についてのあれこれを紹介

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島原の方言(その3) おらん~そけ

クリックで救える命がある。



おらん
 「おる」の否定形 
「いない」
例文   
「あんた、彼女はおると?」
「おるおる」
和訳   
「あんた、彼女はいるの?」
「いるいる」


おらす 「おる」の軽い敬語表現 「おられる」
例文
「スナックみちこのママはたいてきれかね。彼氏とかおらすやろね」
「おらんげな」
「ほんてや?」
「ばってん、孫はおるげな」
和訳
「スナックみちこのママはとてもきれいだね。彼氏とかいるだろうね」
「いないんだって」
「ほんとに?」
「でも、孫はいるらしい」

おらっさん 「いない」の敬語表現だが、リスペクトの意味は含みながらもフレンドリーなくだけた感じの表現 「おらす」の否定形「おられない」
例文   
「母ちゃんな、おらしたとね?」
「いんにゃ、おらっさんやった」
和訳   
「母ちゃん、いた?」
「いいや、いなかった」


おる  「いる」という意味
おる  「俺(おれ)」の意味 いまは「おい」というほうが多い
例文
「モシモ~」
「はいはい」
「おるおる」
「だいね?」
「おるおる。おったない」
和訳
「モシモシ」
「はいはい」
「おれおれ」
「だれ?」
「おれおれ。おれですよ」

おろいか 「おんぼろだ」「程度が悪い」という意味
例文 
「バイクばもろたとて?」
「もろたちゃもろたとばってん、やっちゃおろいかった」
和訳 
「バイクもらったんだって?」
「もらったことはもらったんだけど、めちゃボロかった」

おろろん おろろん おろろんばい 
宮崎康平作詞「島原の子守歌」に出て来る言葉ですが、意味は分かりません。たぶん、「おろおろと泣く」というような意味だと推測されます。

北海道に「日本海オロロンライン」という観光ルートがあるようですが、このオロロンは天売島に棲息するウミガラスの別名が「オロロン鳥」であることから来ているようです。

おんぶくれる  「おぼれる」という意味
例文
「あいた、からすまがり。おんぶくるっ。わろちょらんで助けろ」
和訳
「しまった、足がつった。おぼれるよ。笑ってないで助けてくれ」

かあぶる  「いばる」「のぼせあがる」「調子こく」というような意味
きゃあぶる とも言います。
例文  
「あんやちゃ、こんごろかあぶっちょっとで」
「のぼすんなて、くらせろ」
和訳  
「あいつ、このごろ調子こいてるんだぜ」
「のぼせるなって、なぐってやれ」

かごむ 「かがむ」「しゃがむ」という意味 かがむとしゃがむが一緒になって出来た方言かもしれません。

最近あまり見ませんが、子供たちの遊びで「かごめ かごめ」というのがありますね。あれは、子供たちが ♪か~ごめ かごめ か~ごのな~かのと~り~は♪ とうたいながら、真ん中でしゃがんだ子供の周りを大勢の子供たちが手をつないでまるく輪になってぐるぐる回るんですよね。
この場合の「かごめ」は「しゃがめ」というよりは、「囲め」という意味なんでしょうね。
この「かごめ歌」の歌詞は実は古代ヘブライ語であるという説をとなえている人たちもいますので、ちょっと紹介しておきませう。

かごめ かごめ をヘブライ語で解釈する


例文 
「となりん爺ちゃんな、山にしば刈りに行って、ウンコすっとに草むらにかごじょらしたとげなもん」
「そらそがんじゃろ、便所はなかもんね」
「そしたら、イノシシん出て来たもんじゃっけん、逃げるに逃げられず」
「どがんさしたとね」
「出かかったもんば引っこむっわけにはいかんけん、じいーっとしまいまでかごじょらしたって」
「へえ、そしてイノシシゃどがんした」
「『おろ~、人間のちゃ、やっちゃくさかよ』て言うて、鼻ばつまんで逃げて行ったとげな」
「どうせ『
しばは刈らずにくさかった』ていうオチじゃろもん」
「やかましか」
和訳 
「隣の爺ちゃんは、山にしば刈りに行って、ウンコするのに草むらにしゃがんでたんだってさ」
「そりゃあ、そうだよね、便所はないしね」
「そしたら、イノシシが出て来たもんだから、逃げるに逃げられず」
「どうしたの?」
「出かかったものを引っ込めるわけにはいかないし、じいーっと最後までしゃがんでいたんだって」
「へえ、それでイノシシはどうしたの」
「『オーマイゴッド! 人間のはめっちゃくさいじゃん』って言って、鼻をつまんで逃げて行ったんだってさ」
「どうせ『
しばは刈らずにくさかった』っていうオチだろう」
「うるさい」

かずむ  「(においを)かぐ」という意味
例文
「おいの屁はよかにおいど。ほら、かずんでみれ」
「う~~ん、えくすたしいー」
和訳
「おれの屁はいいにおいだよ。ほら、かいでみろ」
「う~~ん、エクスタシー」


かたす  「加える」「仲間に入れる」
例文
「わったちゃ、なんしよっとな」
「ミミズにしょんべんばかけよっと」
「なしてそがんこいばすっと?」
「ばあちゃんの、ミミズにしょんべんかければ、ちんちんのふとなるて言わしたけん」
「そんなら、おいもかたして」
和訳
「おまえたち、何やってるの」
「ミミズにしょんべんかけてるんだよ」
「なんで、そんなことしてんだよ」
「ばあちゃんが、ミミズにしょんべんかけたら、ちんちんが大きくなるって言ったからだよ」
「それなら、おれも仲間に入れてくれ」

がっぱいする  「がっかりする」


かてる  「付け加える」「おまけする」
例文
「いつでんこうてくれらすけん、大根ばかてちょくけんね」
和訳
「いつも買ってくれるから、大根をおまけしとくね」

かぼんす  「頭でっかち」 もしかして「仮分数」から来た言葉か?

がまだす 「がんばる」「精を出す」

からう  「背負う」

からすまがり  「けいれん」「足がつること」

がんば  「河豚(ふぐ)」のこと あまりにもおいしいので、食べるなら、「がんば用意して食え(棺桶を用意して食え)」ということから「がんば」と呼ばれるようになったと言われている。

きばる  「がんばる」「精を出す」

きびる  「しばる」という意味

きゃあなえる  「疲れる」「しおれる」「へこむ」

きんなか  「黄色い」という意味

ぐうらしか 「かわいそうだ」という意味
例文
「ミヨちゃんな十八で死なしたげなとん、ぐうらしかねえ」
和訳
「ミヨちゃんは十八でなくなったそうだけど、かわいそうだねえ」

くちなわ  「へび」のこと

くらすみ  「暗闇」のこと
例文
「そがんくらすみにおらんで、もうちょっとこっちこんね」
和訳
「そんな暗いとこにいないで、もうちょっとこっちにおいで」

げな  「~げな」と語尾について「~だそうな」という意味

げなげなばなし  「あてにならない話」

こぎる  「値切る」という意味

ごっちん  「半煮えのご飯」のこと

こまか  「小さい」

こまんちょか 「ちっちゃい」
※ 強調するときは「こま~んちょか」とのばして言う。

こやらしか  「かわいらしい」

さるく 「歩く」「歩きまわる」という意味
さらく
例文  
「島原ん町にゃ、猿田彦ん神様ん、あっちでんこっちでん、とにかく多かっど。どがしこあっとか分からん」
「そらあ、猿田彦だけにさるいたしこあっとじゃ?」
和訳
「島原の町には、猿田彦の神様が、あっちでもこっちでも、とにかく多いんだよ。どれだけあるのか分からん」
「そりゃあ、猿田彦だけに歩いた分だけあるんじゃない?」(この訳は難しいですね。島原弁ならではのシャレですから)


じいやん  「じいちゃん」のこと 「ばあちゃん」は「ばあやん」

じぇん  「ぜに」「おかね」島原に限らず九州では「ぜ」の発音は「じぇ」になることが多い。
例文  
「じぇんのじぇんじぇんなか」
和訳  
「お金が全然ない」

しかぶる  「(オシッコを)もらす」こと ウンコの場合は「たいかぶる」と言う

しこ 「~だけ」「~の分」
こがしこ「これだけ」 
そがしこ「それだけ」 
あがしこ「あれだけ」 
どがしこ「どれだけ」 
例文
「え? 1万円でたったこがしこ?」
「消費税、
インフレターゲット、円安、安倍政権に文句言うて」
和訳
「え? 1万円でたったこれだけ?」
消費税、インフレターゲット、円安、安倍政権に文句言って」


しこる  「いばる」「テンパる」「固くなる」「勃起する」
例文 
 わたしの子供のころ、こういう遊びがありました。

 「花子ちゃん、イタリヤ・トルコ・滋賀盆地ば反対から言うてみて」
 「ええと、チンボガシコルトヤリタイ」

 いま、こういうことを女の子に言わせたら、間違いなくセクハラですよね。ちなみに島原弁で「せくはら」とはお腹が痛いという意味にもなります。蛇足になりますが、イタリヤはイタリア、滋賀盆地は近江盆地というのが本当なんですが、まあ、子供の遊びですから。

じご  「尻」のこと 「ひえじご」とは「憶病」「こわがり」の意味

じごんす  「尻の穴」「アス・ホール」
のこと
例文
「わら、あんまっ横着かこいば言いよったら、じごんすから手ば突っ込んで奥歯ばガタガタ言わすっど」
和訳
「おまえ、あんまり横着なことを言ってたら、尻の穴から手を突っ込んで奥歯ガタガタ言わせるぞ」


じだ  「地べた」「地面」のこと

例文
「じだにじごんすばじかにつけて座ったら、じになるて」
「へえ~」
和訳
「地べたに尻の穴をじかにつけて座ったら、痔(じ)になるって」
「へえ~」


じゅったんぼ  「水たまり」「ぬかるみ」の意味

すいちょっ 虫の名前(ウマオイムシ)ではありません。「好きだよ」という意味です。
すいちょる  「好きです」
すいとる   「好きです」
例文
「おら、あたんばすいちょっ」
和訳
「おれは、あんたを好きなんだ」

すいとっと  「好きなんだ」

すかん   「好きじゃない」「きらい」
例文
「花子ちゃん、おいはあんたばすいとっと」
「ごめんばってん、うちゃ、すかんと」
和訳
「花子ちゃん、おれはあんたを好きなんだ」
「悪いけど、わたしは、きらいなのよ」

すためる  「水やお茶などを残らず出してしまう」
例文
「お茶は、ようとんすためにゃんよ」
和訳
「お茶は、よく最後まで出しきらないといけないよ」

すだる  「後ずさりをする」という意味

ずんだれる  「だらしなくする」という意味
例文
「古川、ずんだれちょっど。ズボンはちゃんと上げにゃ」
和訳
「古川、だらしないぞ。ズボンはちゃんと上げなきゃ」

せからしか  「うるさい」「わずらわしい」 発音としては「しぇからしか」のほうが正しい

せく  「(腹が)痛む」
例文
「腹んせくと」
和訳
「腹が痛いんだ」

せく  「閉める」
例文
「戸ばよおとんせいてこんけん、すき間風んさんかやっか」
和訳
「戸をよく閉めてこないから、すき間風が寒いじゃないか」

せっくゎ(石花)  「牡蛎(かき)」のこと 石にくっついている天然のかきを言う。

せびらかす  「からかう」「おちょくる」

そいぎ   「それでは」「そしたら」の意味 別れぎわのあいさつにも使われる
そいぎら
そいぎった
例文  
「そいぎ、これで失礼します」
「ちょっと待て、じぇんばはろてから帰らんか」
和訳
「それでは、これで失礼します」
「ちょっと待て、金を払ってから帰らんか」

そうにゃ  「すごく」「大変に」という意味
例文
「ばあちゃんねで、ごっそになってきた」
「なんば食べたんね?」
「ちゃんぽん」
「うまかったんね?」
「うん。そうにゃうまかった」
和訳
「ばあちゃんの家で、ごちそうになってきた」
「何を食べたの?」
「ちゃんぽん」
「おいしかった?」
「うん。すごくおいしかったよ」

ぞおたん  「冗談(じょうだん)」 どおたんとも言う
ぞおたんのごつ  「冗談じゃない」

そがん  「そんな」「そのような」「そうだ」の意味
例文
「そがんこいば言うたらつまらん」
「そがんそがん」
和訳
「そんなことを言ったら駄目だ」
「そうだそうだ」

そがしこ 「それだけ」の意味
例文
「そがしこ言われたら、たいて腹も立つばない」
和訳
「それだけ言われたら、すごく腹も立ちますよ」


そけ  「そこに」「そこへ」の意味
例文
「お茶はそけ置いちょって」
「どけ?」
「こけ」
和訳
「お茶はそこに置いておいて」
「どこに?」
「ここに」


★ 参考文献

都道府県別 全国方言辞典


方言の日本地図ーことばの旅


滅びゆく日本の方言


方言学入門



★ この記事を書きながら聴いた音楽

Pentangle - Light Flight



Otis Redding  Sittin' On The Dock Of The Bay



藤圭子:島原の子守唄 









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